こんにちは、岡田 奈美子です。
「1人で閉じこもっていないで、外にでればいいのに」
「がんばって一歩出れば、変わるのに」
不登校や引きこもりをしている子どもや大人に、周りの人達がこう言うのを時々ききます。
でも「できない」「したくない」ことには、ちゃんと理由があるのです。
無理やり外に出そうとするのではなく、あきらめて、そのまま放置するのでもなく
・「引きこもりたくなる」深いこころの理由を知ること
・その人に合った的確なサポートをすること
すると「できない」「したくない」理由がほどけていきます。
内にこもっていた気持ちが、少しずつ外に向き始め、現実の生活に変化がでます。
植物の種と同じで、その種に合った条件がそろうと、芽吹く元気がでてくるのです。
不登校や引きこもりをしている人を
弱い性格とか、世の中のいやなことに耐えられないくらい臆病だと思っていませんか?
違うのです。
本当は、とても優しくて、我慢強い人が多いのです。
たとえゲームばかりしていても、部屋でひまそうにしていても、本人は苦しくて、自分をずっと責めています。
それでもじっと我慢しています。優しくて我慢強い性格だからこそ、“自己犠牲”をしています。
こんな状態で、無理やり外にでたとしても、また繰り返してしまうかもしれません。
なぜなら、本当の原因がなくなっていないから。
自然と外に行きたくなるように無意識(潜在意識)のレべルから、本人の気持ちに変化が起きることが大切なのです。
こもりがちな人は、敏感で、賢く(勉強というより、心の智慧がある)、優しいけれど、プライドの高いタイプが多いです。
そこまでわかっているの?とビックリするくらい、色々なことを見抜いています。
完璧主義で、見抜いているがゆえ、頭で考えすぎ、動けなくなっていることも多いのです。
だからといって「まずは動こう!」と無理やり動そうとしても、動けません。
発達障害の特性が原因で、動けなくなっている場合もありますが、HSP・HSC等の敏感な個性のために、動けない人も大勢います。
こういう敏感な個性の子どもと大人には
潜在意識のなかに「敏感ちゃん」「敏感くん」が住んでいます。
こんな個性の特徴は
・とてもピュアで、優しく、人の気持ちがよくわかる
・深く細やかなこころのコミュニケーションができる
・真っすぐで、一本気。職人肌タイプ。等があります。
傷つきやすいのは、桃のように、柔らかくて優しい個性だから。
だから、周りから弱いと思われやすく、本人も、自分を弱いと誤解して、自分を隠しがちです。
自分の悪いところばかりみて、自分を責めている状態です。だから、動こうにも動けないのです。
「不登校になる子って、人が嫌いなのですか?」と学校の先生に聞かれたことがあります。
先生が家へ迎えに行っても、絶対学校に来ないし、会ってさえくれない。「これは、相当人嫌いだ」と思ったそうです。
それが、全然ちがうのです。
人との深いつながりを大切にし、人を愛している人が多いと私は感じます。
むしろ人との関わり方が、(わかりづらいですが)とても深くて繊細。困っている人に(秘かに)優しく手を差し伸べる人です。
ざっくり浅く付き合うことが苦手で、恥ずかしがり屋、そして意外と情が厚い面もあります。
ですが、何らかのきっかけで、自分が生きること、他の人達と関わることに自信を失い、「もうだめだ」と閉じこもっている場合が多いのです。
「こんな私(僕)、生きていても、仕方ないんじゃないか。お母さん達を悲しませて、ごめんなさい。だけど私(僕)はどうしていいかわからない。私(僕)なんて、生まれてこなければよかったのに。」
こんな気持ちでいる時に「がんばって学校(or職場)に行ったら?」と励まされても、
「学校に行かないなんて、弱い子だ。育て方を間違ったのか?」と心配されても、
前へ向く力はでません(何才でもその気持ちは同じですし、それがむしろ人として当たり前の反応だと思います)。
この状態だけをみると、周りからは、人嫌いにみえるかもしれませんね。
でもそんなに傷つくほど本当は、人との繋がりを大切にしているのです。
人との関係がどうでもいいのなら傷つくこともなく、毎日どんなことがあっても気にせず過ごせるはず。
大切に思うから、ささいなことで傷つき、自信を失い、人との関係を絶ってしまうのです。
(もちろん、本人にとっては“ささいなこと”ではなく“とても大切なこと”です)
(画像 Lima Pix)
「こんなことになったのは、親の育て方が悪かったのか?」
「それとも本人が弱すぎるのか?」と悩んではいませんか?
不登校や引きこもりを解決するには、誰が悪いのか?弱いのか?という考え方では解決しにくいのです。
もう自分や子ども、周りの人を責めるのはやめて
外へでられない原因を、やさしくほわっとほどいていきましょう。
もしお子さんのことでなら、子どもだけを変えようとしないで下さい。関係している人全員に、学ぶことがあるから、「子どもの問題」として起こったのです。
みんなで少しずつできるようになっていきましょう。
「生まれてきてよかった」と思える日は必ず来ます。
子どもメンタル研究所 岡田 奈美子(公認心理師・スクールカウンセラー)
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