こんにちは、岡田奈美子です。(このHPは、毎月 第1金曜 20時に配信です)
私は小・中学校でスクールカウンセラーをしているので、こちらと学校の両方で「教室に入りづらい・・・」「学校へ行きづらい・・・」というご相談によく出会います。
大人のHSPさんは、幼少期の経験が今の自分に影響を与えているので、ご自分の小さい頃の経験を思い出しながら読んでみて下さいね。
「教室へ入りづらい・・・」という原因を大ざっぱにまとめると・・・
1、クラスや部活の人間関係が楽しくない・つらい・気になることがある
2、勉強についていくのがしんどい(学習障害の可能性も)
3、本人の個性をうまく使いこなせず、自分でいることがつらい等。
不登校でなくても、
「学校へ行きづらい」「学校へは行けるけど教室には入れない」「人の目が気になりクラスにいることがしんどい」等、人によってしんどさは色々とありますが、
HSP・HSC、エンパスなどの敏感な人の場合、2よりも1,3がほとんどです。
でも「対人関係のスキルに問題があり、いつもトラブルを起こしてしまう」というものではなく、自分自身が「人間関係って疲れる・・・」や
「一人でいたい。でもやっぱり孤独だな・・・」と相反する気持ちで苦しかったり、「つまらない人間関係に耐えられない・・・」という“誰にもわかってもらえない”つらさを抱えていることは多いです。
だから学校の先生から「え?普段楽しそうに友達と過ごしてますけど・・・?」と言われるくらい自分のつらさを態度に出していない人も多いですし、
夜は「明日は学校へ行くよ」と明るく言っていたのに、朝になるとやっぱり起きられない、出かけることができないとなる人も多いです。
「誰にもわかってもらえないつらさ」があるのなら、
「その原因」を探して、少しでも自分が楽に楽しく生きられるよう考えていきませんか?
不登校・登校しぶりに多い原因の1つ目と3つ目には「発達障害の特性」のためと、敏感な個性を上手に使えていないためという2つの理由が最近、とても多いです。
ここでは、発達障害のことは省き、HSP・HSC等の敏感な個性の人が「教室に入りづらい」、大人なら「社会で生きづらい」ことについて、あるケースをお話していきますね(個人情報保護の為、少し修正していることをご了承下さい)。
「教室がざわざわうるさくて落ち着かない」というHSP・HSCのある人のセラピーでわかったことは、その人の「とても耳が優れていること」でした。
「教室がざわざわうるさい」というと、「発達障害の特性」に当てはまるように思われるかもしれません。(実際、学校では検査を勧められていました)
でもこの人の場合は、本当に耳の機能、つまり聴覚が優れていました。
まるで耳のよい音楽家が、週末のイオンの賑わしさに耐えられない!という状態です。きっと世界的な指揮者のカラヤンなら、「イオンには二度と行かない!」と言ったかもしれませんね(笑)。
五感のいくつかが、平均以上に優れているので「平均的な小学生・中学生」が気にならない雑音や騒がしさを耐えがたく感じ、疲れるのです。
その上、芸術家のように誇り高い性格でもあったので、うるさく騒いだり人の悪口を言ったりする同級生に「あ~、もう!イヤだ!」とイライラして、お互いに仲良くしづらい面もありました。
でも学校の先生から「あなただってダメな所があるのに、どうして人のことばかり言うの?もっと協調性をもってほしい」と言われ、それ以上もう何も言えなくなっていました。(先生は、何かあったら相談してねと言ってくれるのですが、相談しても先生がどう応えるかわかるので・・・)
この人の「問題」と思われていた面は、「音に過敏すぎる」「友達が少ない」「頑固」「こだわり?と思わせるものがある」「かんしゃくを起こす」等があり、
発達障害の「自閉症スペクトラム」に当てはまるかも?と思われていました。
でもお母様のお話をよく伺うと(後で本人とも会いました)、「音に過敏」なのは、本当に耳がいいから。
「友達が少ない」のは、本当に気の合う人がわかるから厳選しているから。
「頑固」なのは、実年齢以上に、自分の気持ちがしっかりとあるから。
「こだわり?と思われる」のは、大人はこういう意志や気持ちがしっかりとある子どもを扱いづらいと感じるという大人の理由があるから。
「かんしゃくを起こす」のは、友達の悪口を言ったりズルをしたりする子は先生から注意されないのに、自分は自分らしくいることで先生や親から「どうしてこんな子なのだろう?」と「困った子」扱いをされていることに納得がいかず、不満をためていたから。
本人とご家族に、その人の本来の個性の特徴についてのいい所とちょっと困った所をバランスよく知って頂くことで
とても楽になり、お互いに信頼心と自信を取りもどすことができました。
お会いしてみると、本人は、勘がするどく、深く細やかな感性の持ち主でした。
学校の先生にも伝え、今では落ち着いて、その人の本来の素直な感じでいられる時間が増えたとのこと。
本来の自分を取り戻すと、発達障害と間違えられるような言動はかなり減ったそうです。
こんな風にHSP・HSCなどの敏感さと発達障害の特性は間違えられることがあります。
今回は、聴覚に優れたケースですが「教室に入りづらい」には他にも様々な理由があります。
大人のHSPさんは、幼い頃からの「もっと普通にできないの!?」という無言のプレッシャーを感じたり、家族や先生という養育者とのわかり合えなさから、自信を失い、二次障害を起こし、対人恐怖になっている場合もあります。
本当は、繊細で優しくて深い人間関係を求めているし、手に入れるだけの個性の持ち主なのに。
そんな場合は、マイペースで本来の自分を取り戻してあげましょう。
「自分は本当はそんな特徴があったのか!」「だから人付き合いが苦手だったのか!」と気づきを重ねることで、過去の傷は癒され、本来の自分が少しずつ伸びやかに育つことにもつながっていきますよ。
自分の心に住んでいる「敏感ちゃん」・「敏感くん」をもっと幸せにして、笑顔を取り戻しましょう。
進路やこれからのことを決めるのは、それからです。
敏感さは、本来は才能です。
みんなで一緒に、才能育てしていきましょう♪
こころから応援しています。
※HSP・HSC、エンパスは、発達障害の特性と優劣はありませんし、両方ある人もいます。又今回のケースが全ての人に当てはまらないことをご了承下さい。
(横浜での対面セラピーは11月17・18・19日です)
「敏感でもっと幸せな人になれる♪魂レベルの子育て・自分育てをしよう」(ブログ毎週火曜)はこちら
岡田奈美子(公認心理師・スクールカウンセラー)
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