こんにちは、岡田奈美子です。
エレイン・N・アーロン博士の「ひといちばい敏感な子」(明橋大二先生訳 1万年堂出版)、お読みになりましたか?
「あ~、うちの子は敏感なんだ。そうだったんだ~」と、ホッとした方も多いかもしれませんね。
この本は、アメリカの子ども達について書かれているので
日本の子ども達には当てはまらないかな?違うかな?と感じるところもあります。(お国柄がでるのでしょうね^^)
p.375に「思春期は、意外と手がかかりません」とありますが
アメリカと日本では、小学生・中学生の精神年齢がちがうし、文化の背景もかなり違うので
「いえいえ、この時期は色々ありますよ」と思います。
アメリカでは、中学生の問題というと
アルコール、ドラッグ、セックスなど、行動的で、派手なのが多いのでしょうか?
たしかにアメリカ映画をみていても、そう思うこともありますが。
敏感な子は、こういうことを嫌う、又は無関心な子が多いので
アメリカでは、中学生以上になると「意外と手がかからない」のかもしれませんね。
でも、日本では違います。
日本の中学生は、アーロン博士の本では小学生の方に入るような感じがします。
自己価値が低いので
自分の本当の価値に気づけるようにすること
日本の敏感な中学生には、これがとても大切です。
不登校の場合も、解決にはこのことが重要です。
また日本の中学生の時期は
女の子は、グループをつくり「群れる」ことに絶対の意味をもつようになりますし
自分が仲間外れにならないよう、いつも計算して動く子がかなりいます。
男の子は、男性性が成長してくるので、活動力・攻撃性が増してきます。
縦社会を重視するので、それに加わらない子には、容赦ない言動をすることも。
敏感ちゃん・君は、こういう思春期ならではの未成熟な集団が苦手な傾向があります。
考え方が大人びていて、こういう仲間に入る気がしないと拒否する子
「こわくて入りたくないし、入れない」と、こわがる子
「今日は親友なのに、明日は仲間はずれにする・される」というような不安定な人間関係に嫌気がさす子等。
敏感で、人の気持ちがわかる子には、思春期は、しんどい時もあります。
でも、そういう思春期ゲームに参加しない・できない子は、弱い子ではありません。
中学校で「そんな弱くてどうする?!もっと強くなれ」と先生が話しているのをみかけることがあります。
敏感な個性の人達は
不安的な人間関係をみて、疲れたりしますが
「あ~、悲しいな。もっと仲良くできないの?」という、とても優しい個性だからなのです。
傷つき、悲しむのは、柔らかくて、ピュアで優しい個性だから。
敏感な子には、それをしっかりわかってほしいです。
あなたの自己価値、本当はこんなにすばらしいんだよということを。
そして、そんなステキな個性であることを、周りの大人たち、
親や学校の先生が、わかっていてくれること
これがとっても大事です。
思春期に、しんどくなる敏感な子に大切なことは、
「あなたは、たしかに敏感。
でも、だからこそ、あなたにしかできないことがあるし
その優しさや気遣いを、もっと自分にも向けていこうね」ということなのです。
子どもメンタル研究所 岡田奈美子